2012年6月8日

クラウドファンディングで都市を変える!Kickstarter Urbanism

最近注目を集めているクラウドファンディングですが、都市生活を変えるようなプロジェクトにも使われるようになってきているようです。これまではアート作品やプロダクトの事前購入を募集して、集まった資金で作品・製品を作るために使われていましたが、これがもっと大きな、建築・空間レベルにまで使われています。以下の記事で紹介されていた事例を共有します。こうした動きは"Kickstarter Urbanism"と呼ばれています。

The Limits of 'Kickstarter Urbanism'
Against Kickstarter Urbanism


Spacehive

イギリスで公共空間・公共施設を作るプロジェクト向けのクラウドファンディングサイト。新しいコミュニティ施設を作るプロジェクトでは、目標額(791,433ポンド)を超える792,046ポンド(約1億円)が調達されました。現在は使われていないドックを豊かな公共スペースにするプロジェクト等が掲載されています。

Spacehiveトップページ
(via Spacehive.com)















+ Pool

ニューヨークのイーストリバーに浮かぶプラス型のプールを作ろうというもの。3人のデザイナー主導のもと、エンジニアリング会社Arupも加わり、水質・構造の検討等が進められています。Kickstarterでは川の水をプールに取り込むフィルター実験のための41,647ドルが調達されました。Kickstarter上のプロジェクトページはこちら

+Pool イメージ写真
(via pluspool.org)















LowLine

マンハッタンの使用されていない地下のトロリーターミナルを、公園にしてしまおうというアイデア。Kickstarterを利用して、実物大モデル作成のための目標額100,000ドルを超える155,186ドルを調達したものの、行政の壁により光ファイバーケーブルによる天窓のデザインのみに終わるのではないかと、記事では批判気味に紹介されています。

LowLine
(via delanceyunderground.org/)







 

 

 

本当に必要なものだけを作る時代へ

 

建築、不動産、都市計画などに関して感じている問題として、明らかに余っているのにそれでも作る側の思惑で、新しい建物や公共空間が作り続けられていることがあります。大金を投資して開発したのにテナントがいないビル等はよく聞く話しで、そこに投じられた資金や時間、労力はもっと良い使い方があるように思われます。

クラウドファンディングが組み合わさることで、その建物・施設を利用したい実現させたい多数の人々が資金を提供し、一定額集まれば実際に建物・施設が作られることになるので、この「作ったけど使われない」問題は避けられそうです。

当然、資金が集まったとしても、行政による許認可を受けなければ建築や公共空間は作れないという壁もありますが、本当に必要なものだけを作る時代に向けて、今後の発展に注目です。



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