キャップレートが上昇する
各所でその考察がされているところですが、例えばNREIのこの記事。利上げペースが遅くなる、CMBS市場が短期的には不安定になる、新規建設がスローダウンする等いくつか起こりそうなことが挙げられていますが、確かに起こりそうだなと思われるのは、キャップレートが上昇するだろう、という点です。
インフラへの投資、減税により財政規律が緩み、また、閉鎖的な貿易政策を行うことによりインフレ圧力がかかります。こうしたことも織り込んでか、米国債10年物の利回りは急上昇しています。
キャップレートと金利との関係
(via TIAA) |
以下のようにキャップレートと国債利回りとの間のスプレッドは一定ではないため、単純な相関にはなりません。例えば、2007年頃の不動産サイクルのピークでは、市場が不動産に対して相当強気だったのか、ほぼスプレッドはありません(不動産利回り=国債利回り)。
(via TIAA) |
とはいえ、ざっくりいうと金利が上昇する環境下では、キャップレートが上がる傾向にあるのは変わりません。不動産価格=不動産からの収入÷キャップレート、であるために、もし不動産からの収入が不変であれば、Cap Rateの上昇は不動産価格の低下を意味します。キャップレート上昇のなかで不動産からのリターンを確保するには、不動産からの収入も一緒に上昇していくかがキーとなります。