2012年6月17日

クラウドファンディングで都市を変える!Crowdsourced Placemaking

以前の記事ではクラウドファンディングを用いて建築・公共空間を作るようなプロジェクトのアイデア・資金調達をする取組みを紹介しました。今回は、より広い意味合いで、誰もが街でのアイデアを提案し、投票を募り、支持が集まったものを実現する仕組みを紹介します。Crowdsourced Placemakingと呼ばれているようです。日本語で良い言い方はあるのでしょうか。そのままクラウドソースト・プレイスメイキングでは長いですし。。
Can you Crowdsource a City?
Hilo, HI: First crowdsourced placemaking municipality

現時点ではアイデア(例えば「ABC Streetにカフェが欲しい」など)に投票するのみでお金は絡んでいないものが多いですが、後々はクラウドファンディングに繋がっていくのではと思います。


Popularise


(via popularise.com)

ビルオーナーが、上の写真にあるように、「What would you build here?(あなたならここに何を作りますか?)」というバナーを実際にその建物に掲示して、Populariseサイト上で、広くアイデアやそれに対する投票「build-it」を集めるもの。第1弾のワシントンDCの物件では54のアイデアが集まり、結果はDURKLというブランドのフラッグシップ店舗が1位になりました。そして実際には他のアイデアも取り込み、アジアンレストランやローカルマーケットも含めたコンセプトになったようです。他にシアトル、オクラホマシティで展開中。


Bristol Rising


(via bristolrising.com)

コネチカット州ブリストル市が所有するのダウンタウンのモール跡地について、ディベロッパーRenaissance Downtownsがダウンタウン活性化にむけたアイデアを募集するもの。投票(like)が最も多かった、上の画像のPiazza(広場)を含む案に対して、つい先日、ゾーニング委員会の許可が下りました。また、ビール製造所についてのクラウドファンディングプロジェクトも動き出しているようです。同社による類似する取組がNashua(ニューハンプシャー州)でも行われています。


Neighborland

 
(via neighborland.com)

ニューオーリンズ発祥の、誰もが自分の都市に対してアイデアを投稿し、それに対して投票・サポートを集め、実現していくためのプラットフォーム。他にシカゴやヒューストン等の全米19都市で展開中。アイデアや投票は結構集まっているようですが、実際にどういうプロジェクトが実現したのかは不明です。


Change by Us NYC


(via nyc.changeby.us)

ニューヨーク市によるサイトで、Neighborlandのように誰でもプロジェクトのアイデアを投稿し、気にいった人が投票してチームに加わるプラットフォーム。市によるサイトだけあって、財団や市のメンバーがプロジェクト実現に向けたサポートをし、補助金も出すようです。市民活動案を募集して補助金をつける、というのはよくあることですが、ここまでオープンな場をつくるのは面白いです。


OurDowntownHilo

 

(via ourdowntownhilo.com/)
ハワイ州ヒロの都市計画局によるもので、ダウンタウンの将来ビジョンを達成するためのアイデアを募集しています。60の"Like"が集まったプロジェクトは、実現可能性調査、パートナーやスポンサー探しが行われます。既にいくつかのプロジェクトが60Likesを達成しているようです。わずか人口5万人の小さな街でこうした取組みが行われるとは興味深いです。



今後もこうした動きの発展に注目です。また面白い事例があればご共有します。


2012.6.22 OurDowntownHiloを追記。

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