最近何かと話題のマクドナルド。アメリカのニュースでは、マクドナルドに投資しているファンドマネージャーが、店舗等の不動産をREITとしてスピンオフすることで200億ドル価値が上がる、と指摘したことで株価が上昇したことが話題になりました(参考:Bloomberg)。
会社が持っている不動産アセットをREIT化することで価値が上がる、というのが分かるようで分からないところです。日本では、星野リゾートが星野リゾート・リート投資法人を、イオンがイオンリート投資法人をスピンオフしましたね。星野リゾートリートはその後、他社が運営しているチサンインを取得していますし、少しイメージが違うかもしれません。
アメリカではこのREIT化というのはよく話題としてはみるものの、あまり実現していないような印象です。
弁護士事務所Morrison & Foersterの記事によると、REITスピンオフの最大のポイントは、tax freeのメリットの享受。REITは元会社に不動産を貸付け、その賃料収入がREITの収入になるものの、REITは法人税が課税されない分、スピンオフ前よりも税の効率がよくなり、価値が上がるというもの。この仕組でのREIT化の歴史は浅く、以下の3事例があります。
- Penn National Gaming(カジノ運営会社)によるGaming and Leisure Propertiesのスピンオフ
- CBSが屋外広告板をCBS Outdoorとしてスピンオフ
- The Ensign Group(介護・リハビリ施設運営会社)によるCareTrust REITのスピンオフ
Restaurant Newsによると、マクドナルドは単純に自分が所有する不動産を運営するというビジネスではなく、所有する不動産をフランチャイジーに貸付け賃料を取り、それにより儲けているため、不動産をマクドナルドから切り出すことは意味が無いことのようです。フランチャイズ店には、ライセンス料とは別に、売上の8.5%〜15%を賃料としてチャージするようで、それが結構儲かる仕組みみたいですね。マクドナルドは、レストラン業というよりは、ライセンス販売&不動産業という感じです。